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「交通事故」 〜素因減額〜




1.被害者の素因による減額


被害者の肉体的・精神的な要因(素因)が
損害の発生または拡大に寄与した場合,
賠償額の減額事由にされてしまうことがあります。

これは,例えば,とても首が長い人が追突事故の被害にあったときに,
普通の人なら同じ事故でむち打ちにならなかったはずなのに,
その人がたまたま首が長かったためにむち打ちになったのではないか,
その場合,その損害を加害者に負担させることが公平なのか,
という問題です。



素因は,

  「病的素因(疾患)」,「加齢的素因」,「心因的素因」

等に類型化されていますが,
裁判では,加齢的素因を除いて減額事由になるとしています。

したがって,被害者の疾患や心因的素因が
損害の発生・拡大に寄与したと認められる場合には,
賠償額が一定割合減額され得るのです。



そこで,被害者の肉体的な要因が問題となっている場合には,
「疾患」に該当するのかどうか,
仮に「疾患」に該当しても損害の発生・拡大に寄与したと
認められるのかどうか等慎重な検討が必要になってきます
(減額のための法的構成として,過失相殺の規定が類推適用されています)。



裁判例では,

身体的特徴については,
日常生活において通常人に比べて慎重な行動をとることが求められているような
特段の事情がない限り斟酌できず,

疾患については,
疾患が損害の発生ないし拡大に寄与したことが明白である場合には,
加害者に損害の全てを賠償させるのが公平を失するとき,
これを斟酌することができる,とされた例等があります。



なお,心因的素因について,
労災(過労死自殺)事件の事案ではありますが,
「被害者の人格的要素をもって損害額を減額するためには,
当該性格が病的なほどに異常なものでない限り,
言い換えれば,
その労働者の業務と同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして
通常想定される範囲内のものである限り,
その性格及びこれに基づく業務遂行の態様等を
心因的素因として過失相殺することはできない」としています
(最判平成12年3月24日)。



2.素因減額の取扱い


素因減額は,任意保険では適用されますが,
自賠責保険には適用されません。
自賠責保険の減額事由は,自賠責保険の支払基準上,
  「重大な過失による減額」
  「受傷と死亡又は後遺障害との因果関係の有無の判断が困難な場合の減額」
の2点に限定されているためです。
もっとも,自賠責保険の後遺障害における加重の取扱いは,
素因減額の考え方に類似しているものと思われます。



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